『ドン松五郎の生活』

昨年亡くなられた井上ひさしさんを偲んで

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『ドン松五郎の生活 上・下』 新潮社

たくさんの小説を書かれ、小松座を旗揚げし、ひょこりひょうたん島の
作者でもあったそうだが知らなかった。
井上さんの小説は若いころ、『ドン松五郎の生活』を確か買っていたが、
読んだ記憶があるような、ないような。。
寒くて、外出も億劫で、ごそごそと本箱ををあさって、適当に読みたい
本を探して見つけた。
昭和51年発行、ずいぶん古い。私の雑種犬(今はmix犬というらしいが)
好きの原点のような一冊。なんとなく覚えているが、再読してみた。

主人公は雑種犬のドン松五郎
小説の舞台がよく知っている千葉県市川市
吾輩は猫であるの犬版かと思った。飼い主は市川の国府台あたりに住む
二流の文筆家。かって井上ひさしさんも住んでいたところ。
江戸川を挟んで、対岸は東京下町の歓楽街小岩も随所にでてくる。
名前がふるっている。和様折衷のような名前、「ドン」と「松五郎」
雑種犬のたくましさと、頭のよさ、犬には犬の犬権があり、人の
言葉を理解し、しかもしゃべるとてもユニークな犬、犬が幸福に
なるためにはまず、人間が幸福でなければならないと、
彼が出会う様々な犬と協力して「世直し」を始める。
その発想のユニークさにびっくりだが、先が読めない展開といい
細かい部分の凝りようといい、(凝り性なぐらい)小説を読む
楽しさを味あわせてくれる。
非常に強い社会批判が込められているが、笑いや仕掛けの
面白さで批判の鋭さがうまく緩和され、読者をぐんぐん引っ
張るすごさ。

ドン松五郎君の生活ぶりは、今の飼い主たちに大事にされている
犬に比べると、なんと、犬らしく、犬~という感じ。

犬を飼って、犬の本もずいぶん読んだが、『ハラスのいた日々』
中野孝次著書の影響が大きいが、
この『ドン松五郎の生活』も雑種犬 が好きなのもこの本の影響かな。
私の雑種犬チビゴンタも見習ってほしいが、うちの甘ったれには
無理無理。

井上さんは宮沢賢治が大好きらしいが宮沢賢治の幸福論
「世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」
という、宗教的なユートピアや寓話を井上ひさしさん流にパロデイ
や風刺で追求したのかと思う一冊。
古い本でしたが、面白かった。
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by gonta2kohana1-nak | 2012-02-06 20:18 | | Comments(0)

いつのまにやら、黄昏時にさしかかた さとおばさん(さとばあちゃんかも?)、いつもエネルギーをもらうワンコたちとの日常


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